競馬の予想サイトや競馬公式情報でも使われる競馬専門用語
あ行 l か行 l さ行 l た行 l な行 l は行 l ま行 l や行 l ら・わ行
【穴馬(あなうま)】
「穴馬」とはオッズが高く、人気が低い競走馬のことを指す。
多くの人が期待していないため、馬券の売れ行きが少なく結果として高配当になりやすい。
穴馬が好走する要因としては、コース適性・展開の恩恵・騎手の巧みな騎乗・成長や調教の良化などが挙げられる。
競馬予想では、人気馬(本命)と組み合わせることで、高配当を狙う戦略として重視される。
【あれる】
競馬において「荒れる」とは人気薄の馬が上位に来て、馬券の配当が大きく跳ね上がることを指す。
一般的に1番人気や上位人気馬が順当に勝つと「堅い(かたい)」レースと表現されるが、人気薄の馬が激走し予想が難しい展開になると「荒れたレース」となる。
荒れやすいレースの特徴として、ハンデ戦・道悪(馬場が悪い)・出走馬の実力差が少ないなどの要素が挙げられる。
【1番人気(いちばんにんき)】
単勝馬券が最も売れている競走馬のこと。
競馬の馬券はオッズ(配当倍率)が変動する仕組みになっており、購入者が多い馬ほどオッズが低くなる。
そのため1番人気の馬は最も勝つ可能性が高いと予想されている馬とされる。
ただし必ずしも勝利するわけではなく、1番人気の勝率は約30%〜40%程度とされている(レース条件による)。
1番人気の取捨選択が馬券的中の鍵となることが多い。
【一般競走(いっぱんきょうそう)】
特別競走ではないレースのことを指し、「平場戦(ひらばせん)」とも呼ばれる。
中央競馬(JRA)では、新馬戦・未勝利戦・1勝クラス(500万下)・2勝クラス(1000万下)・3勝クラス(1600万下)などが該当する。
これらはクラス分けされた競走で、特別競走(重賞・オープン特別など)とは異なり、通常のレース賞金が設定されている。
一般競走の成績によって、馬が上のクラスへ昇格する仕組みになっている。
【ウインズ】
ウインズ(WINS)とはJRA(日本中央競馬会)が運営する場外馬券発売所のこと。
競馬場に行かなくても馬券を購入できる施設で、日本全国に設置されている。
正式には「JRAウインズ」と呼ばれ、場内には馬券の購入窓口、払い戻し機、レース映像を観戦できるスクリーンなどがある。
近年はインターネット投票(即PAT・A-PAT)の普及により、利用者は減少傾向にあるが、一部のファンにとっては重要な拠点となっている。
【馬主(ばぬし)】
競走馬の所有者(オーナー)のこと。
JRAのレースに出走させるには、日本中央競馬会(JRA)に馬主登録をする必要があり、一定の財力や資産条件を満たす必要がある。
馬主は自らが所有する馬の購入・維持費用を負担し、レースの賞金や副賞などを受け取る権利を持つ。
馬主の名前はレーシングプログラムや出馬表にも記載され、馬名の由来にも関係することがある。
法人馬主やクラブ馬主など、様々な形態が存在する。
【馬番(うまばん)】
競走馬がレースでつけるゼッケンの番号のこと。
馬番はゲート番号(枠順)とは異なり、通常、出走表に記載される馬の番号を指す。
例えば8枠15番の馬がいても、ゲートの位置(枠順)は8枠だが、馬番は「15番」となる。
馬券の購入時には馬番を基にした「単勝」「複勝」「馬連」「馬単」「三連単」などの方式があり、枠番(枠連)とは別の要素として扱われる。
【追い込み馬(おいこみば)】
レースの序盤から中盤にかけて後方で待機し、最後の直線で一気にスパートをかけるタイプの競走馬を指す。
展開やペースによって成績が左右されやすいが、ハマれば豪快な末脚を披露し劇的な逆転勝利を決めることも多い。
追い込み馬の特徴:
スタートダッシュがあまり得意ではない
末脚(ラストスパート)が非常に鋭い
直線が長いコースや、ペースが速い展開が有利
馬群を捌く技術が求められるため、騎手の腕が重要
有名な追い込み馬としては、ディープインパクト、ナリタブライアン、ゴールドシップなどが挙げられる。
【大外(おおそと)】
レース中に最も外側を走ることを指す。特に最後の直線で外に持ち出し、一気にスパートする場面を「大外を回る」「大外一気」と表現することが多い。
大外のメリットとデメリット:
メリット: 馬群に包まれずスムーズに加速できる
デメリット: 距離ロスが大きくなりやすい
特にコーナーのきつい小回りコースでは「大外ぶん回し」となると不利になりやすい。
一方で直線の長い東京競馬場などでは「大外一気」が決まりやすいケースもある。
【回収率(かいしゅうりつ)】
馬券に投資した金額に対して、どれだけ回収できたかを示す指標で、以下の計算式で求められる。
回収率(%) = (払戻金 ÷ 購入金額)× 100
100%を超えれば「プラス収支」、100%未満なら「マイナス収支」
例)1万円分の馬券を購入し、12,000円の払い戻し → 回収率 120%
例)1万円分の馬券を購入し、8,000円の払い戻し → 回収率 80%
競馬を長期的に楽しむためには、回収率100%超え(プラス収支)を目指すことが理想だが現実的には難しいため、的中率とのバランスも重要になる。
【ガレる】
競走馬がストレスや疲労で馬体が細くなり、元気がなくなることを指す。
競走馬はレースや調教で大きな負担がかかるため、消耗が激しくなると「ガレる」ことがある。
体重が大きく減少し、特に肋骨が浮き出るほど痩せ細る場合もある。
気性が繊細な馬や、連戦が続いた馬に多く見られる。
ガレるとレースでのパフォーマンスが大幅に落ちるため、馬体重の増減は競馬予想の重要なポイントの一つとなる。
【騎手(きしゅ)】
競走馬に騎乗し、レースを戦うジョッキーのこと。
体重制限があるため、一般的に小柄な人物が多い。
騎乗技術だけでなく、馬の気性を理解し、適切に操る能力が求められる。
騎手によって得意な戦法(逃げ、差し、追い込み)や、得意な競馬場・コースなどがある。
日本ではJRA(中央競馬)と地方競馬のライセンスが分かれており、中央競馬の騎手になるにはJRA競馬学校の卒業が必須。
代表的な騎手には武豊、ルメール、川田将雅などがいる。
【厩務員(きゅうむいん)】
競走馬の日常的な世話を担当するスタッフ。
餌やり、馬房の掃除、馬の手入れ(ブラッシングなど)、調教補助を行う
調教師や騎手と連携し、馬の健康管理や気性の把握にも努める。
競馬場への輸送やパドックでの誘導も担当する。
担当する馬と深い信頼関係を築くことが重要で、「厩務員の腕次第で馬の成績が変わる」と言われることもある。
【斤量(きんりょう)】
競走馬がレース時に背負う重量(負担重量)のこと。
斤量は騎手の体重+鞍(くら)+オモリの合計で決まり、レースごとに定められている。
斤量はレース条件によって変わり、以下のような種類がある。
定量戦:馬齢や性別ごとに決められた斤量(例:3歳馬56kg、牝馬2kg減)
別定戦:獲得賞金や実績に応じて斤量が変わる
ハンデ戦:実力差を補うため、実績のある馬ほど重い斤量を課される
斤量が重くなると、馬の負担が増えてスタミナを消耗しやすくなり、レース結果に影響を及ぼす。
【掲示板(けいじばん)】
レース結果の上位馬の着順やタイムを表示する電光掲示板。
競馬場のゴール前に設置され、通常1着~5着までの馬が表示される。
掲示板に載ることには以下のような意味がある。
賞金の対象になる(一般的に5着以内が賞金獲得)
競走馬の評価に影響し、次走の斤量や人気に反映される
馬券の払い戻し対象となる(複勝、ワイドなど)
馬券的には「掲示板止まり(=5着以内だけど馬券圏外)」という言葉が使われることもある。
【ゲート】
競走馬がスタート前に入るスターティングブロックのこと。
正式には「発走機」と呼ばれ、ゲートが開いた瞬間にレースがスタートする。
スタートの出遅れを防ぐために、ゲートの入り方や待機姿勢が重要
「ゲート試験」に合格しないとレースに出走できない
ゲート内で落ち着かない馬(気性難)は、出遅れのリスクが高い
ゲートの出方によって、逃げ馬・先行馬の勝率が大きく変わるため、スタートは競馬の重要な要素となる。
【毛艶(けづや)】
馬の毛並みの状態を示し、競走馬の健康状態を判断する重要な指標。
毛艶が良い馬は健康で調子が良いとされ、競馬予想の際にも参考にされる。
毛艶が良い → ツヤツヤして光沢がある、健康状態が良好
毛艶が悪い → くすんでいる、パサついている、元気がない
調子が良い馬は発汗も適度で、血行が良く、レースで好走する可能性が高いと考えられる。
パドック(下見所)では、馬の毛艶を確認して馬券の参考にする人も多い。
【小回り(こまわり)】
コーナーがきつく、直線が短い競馬場のこと。
代表的な小回り競馬場として、福島競馬場・小倉競馬場・札幌競馬場などがある。
小回りコースの特徴
逃げ・先行馬が有利(直線が短いため、前に行く馬が粘りやすい)
差し・追い込み馬は不利(直線が短いため、追い込みが届きにくい)
コーナーワークが重要(器用に立ち回れる馬が有利)
コース適性が非常に重要で、小回り巧者と呼ばれる馬が好走しやすい。
【差し(さし)】
中団からやや後方に位置し、直線で前に出て勝負する戦法のこと。
逃げ・先行馬のペースが速くなり、終盤でスタミナが切れると差し馬が台頭する。
差しが決まりやすい条件
ペースが速いレース(前がバテる)
直線が長いコース(東京競馬場など)
馬場が悪い時(前が止まりやすい)
差し馬は「末脚(ラストスパート)が鋭い馬」が多く、展開次第では強力な武器になる。
競馬中継では「差し切った!」「差し届かず!」と実況されることが多い。
【軸馬(じくうま)】
馬券を組み立てる際の中心となる馬のこと。
例えば、馬連・三連複・三連単を購入する際、必ず馬券に絡める馬を「軸馬」と呼ぶ。
軸馬を選ぶことで、購入点数を絞りつつ、高配当を狙いやすくなる。
軸馬の選び方
実力・安定感のある馬(過去の成績が安定している)
展開に恵まれやすい馬(逃げ・先行で展開有利など)
オッズがある程度低い馬(極端な穴馬を軸にするとリスク大)
馬券の種類によって、軸馬の考え方が異なる
単勝・複勝 → 軸馬=1着または3着以内に入る馬
馬連・ワイド・三連複 → 軸馬+他の馬と組み合わせる
三連単 → 軸馬を1着に固定する(1着固定)or 2・3着に固定する(ヒモ固定)
【絞る(しぼる)】
競走馬の体重調整のために意図的に馬体を減らすこと。
休養明けの馬は太りやすいため、調教や餌の調整によって「馬体を絞る」必要がある。
太め残り(体重が重すぎる)だと、レースで動きが鈍くなりやすい。
絞りすぎると逆にスタミナが落ちるため、バランスが重要。
馬体重の変化は競馬予想において重要な要素であり、パドックや馬体重発表で状態をチェックすることが多い。
【招待レース(しょうたいれーす)】
海外馬や地方馬を中央競馬に招待して行うレースのこと。
JRAの国際競走(GI・GII)では、海外の強豪馬を招待し、世界レベルの戦いが繰り広げられる。
代表的な招待レース
ジャパンカップ(GI) → 世界のトップホースが参戦
高松宮記念(GI)・スプリンターズステークス(GI) → 香港や欧州の短距離馬が参戦
チャンピオンズカップ(GI) → アメリカやドバイのダート馬が参戦
地方競馬でも、JRA馬を招待して行う交流重賞(JpnI, JpnII, JpnIII)がある。
【新馬戦(しんばせん)】
デビュー前の競走馬が初めて走るレースのこと。
2歳戦・3歳戦の馬が対象となる。
1度出走して負けた場合、「未勝利戦」へと進むが、同一開催内で再度新馬戦に出走できる場合もある。
新馬戦の特徴
各馬の実力が未知数 → 調教内容や血統が重要な予想要素
成長段階の馬が多いため、レース展開が読みにくい
名馬のデビュー戦が多く、注目度が高い
新馬戦を圧勝した馬は、その後のクラシックレース(皐月賞・ダービー・オークス)に向けて期待されることが多い。
【先行(せんこう)】
レース中に前の2~3番手の位置で進め、直線で抜け出す脚質のこと。
逃げ馬ほどハナ(1番手)を主張せず、2~3番手の好位で競馬を進める。
先行馬はバテにくく、競馬で最も勝ちやすい戦法とされる。
先行が有利な条件
小回りコース(福島・小倉・札幌) → 直線が短く、後ろからの追い込みが難しい
スローペース → 逃げ・先行勢が有利
馬場が重い → 後ろからの末脚が効きにくい
代表的な先行馬の名馬
キタサンブラック(好位から押し切る競馬が得意)
ゴールドシップ(阪神大賞典の先行策)
【早熟馬(そうじゅくば)】
3〜4歳でピークを迎え、成長が早いが、その後の活躍が期待しにくい競走馬。
2歳・3歳戦では活躍しやすいが、古馬になると力が落ちることが多い。
逆に、成長が遅く、晩成型の馬は古馬になってから本格化する。
早熟馬の特徴
2歳戦・3歳クラシック戦で好成績を残す
スピードの絶対値が高いが、スタミナや成長力に欠ける
古馬になってから成績が下降しやすい
代表的な早熟馬
メイショウボーラー(2〜3歳時に活躍 → 4歳以降低迷)
フジキセキ(2歳で圧倒的な強さ → 早期引退)
クラシックレース(皐月賞・ダービー・オークス)では、早熟馬が活躍するケースが多いが、古馬G1では苦戦することが多い。
【ターフィー】
JRA(日本中央競馬会)の公式マスコットキャラクター。
緑色の馬のキャラクターで、JRAのPR活動や競馬場のイベントなどで活躍。
子ども向けの競馬普及活動にも登場し、グッズやぬいぐるみとしても販売されている。
「ターフ(芝)」+「ハッピー」を掛け合わせた名前とされる。
JRAの競馬場でターフィーショップというオリジナルグッズ販売店も展開されている。
【ターフビジョン】
競馬場に設置されている巨大スクリーン(ディスプレイ)のこと。
レースの中継、オッズ情報、パドック映像、払戻金などを映す。
競馬場の観客がリアルタイムでレースの展開を確認できる重要な設備。
「ターフ(芝)」+「ビジョン(映像)」の組み合わせ。
日本最大級のターフビジョンは、東京競馬場(幅66.4m × 高さ11.2m)で、世界有数の大きさを誇る。
【大差(たいさ)】
レースの着差が10馬身以上開いた場合のこと。
圧倒的な勝利を示す着差で、特に強い馬が実力を見せつけたときに使われる。
例:「大差勝ち」→ 2着馬と10馬身以上の差をつけて圧勝すること。
競馬実況では「大差圧勝!」などと表現されることが多い。
大差勝ちの代表例:
シンボリルドルフ(日本ダービー)
ディープインパクト(弥生賞)
【単騎(たんき)】
レースで1頭が馬群から大きく離れて単独で走っている状態のこと。
単騎逃げ:他の馬がついてこず、1頭だけ前に行く状態(逃げ馬が理想的な展開になりやすい)。
単騎ポツン:馬群の後方で1頭だけ離されている状態(騎手の作戦による場合や、馬の調子が悪い場合)。
単騎逃げのメリット
マイペースで走れるため、粘り込みやすい。
後続馬が競りかけてこないと、そのまま押し切る可能性が高い。
単騎逃げで有名な馬:
キタサンブラック(2017年天皇賞・春)
サイレンススズカ(1998年毎日王冠)
【着差(ちゃくさ)】
レースのゴール時に、1着と2着、2着と3着などの間にどれだけ差がついたかを示すもの。
着差の単位:
ハナ(鼻差) → 数センチの僅差
クビ(首差) → 1/4馬身程度
1馬身 → 馬1頭分の長さ(約2.5m)
大差 → 10馬身以上
着差が大きいほど圧勝したことを示し、小さいほど接戦だったことを意味する。
馬券の的中にも直結する要素で、写真判定が行われることもある。
【調教(ちょうきょう)】
競走馬がレース前に行うトレーニング(鍛錬)のこと。
調教の内容は馬の状態を左右し、競馬予想においても重要なポイントとされる。
調教が良い馬は仕上がりが良く、好走しやすい。
逆に、調教が軽すぎる(負荷が足りない)馬は、本番での走りに不安が残る。
主な調教コース:
坂路調教(坂道でスピード強化)
ウッドチップコース(負担をかけずにスピード強化)
芝コース(実戦に近い調教)
調教のタイムや動きを確認し、競馬新聞や予想の参考にすることが多い。
【直線(ちょくせん)】
競馬場のコースで、最後の第4コーナーを回り、ゴールまでの直線部分を指す。
直線の長さは競馬場ごとに異なる。
東京競馬場(芝・約525m)→ 日本最長の直線で、差し・追い込みが決まりやすい
中山競馬場(芝・約310m)→ 短く、逃げ・先行馬が有利
坂の有無も影響する。
急坂あり(中山・阪神) → スタミナが必要
平坦(京都・小倉) → スピード勝負
「直線一気」というフレーズは、追い込み馬がゴール前で一気に加速して勝つ展開を指す。
【蹄鉄(ていてつ)】
馬の蹄(ひづめ)を保護するために装着する金属製の馬具。
馬のひづめは人間の爪と同じように伸びるため、定期的に交換が必要。
蹄鉄の種類
普通蹄鉄 → 一般的な金属製のもの
軽量蹄鉄 → 競走馬向けの軽い素材
滑り止め付き → ダートや雨の日の馬場対策
プラスチック製 → クッション性を高めたもの
レース前に「蹄鉄を打ち替えた」などの情報が出ることもあり、馬の走りに影響を与える場合がある。
【トゥインクルレース】
地方競馬場で開催されるナイター競馬の愛称。
「トゥインクル(Twinkle)」は「きらめき」「輝き」の意味。
1986年に大井競馬場が日本初のナイター競馬を導入。
現在は大井、川崎、船橋、門別、名古屋、園田、佐賀などで開催。
ナイター競馬は仕事帰りの競馬ファンにも人気があり、特に大井競馬場は「東京シティ競馬(TCK)」として親しまれている。
【夏競馬(なつけいば)】
7月・8月に行われるローカル競馬場(函館・札幌・新潟・小倉)の開催。
中央競馬のメイン競馬場(東京・阪神・中山・京都)が休催し、地方のローカル開催となる。
夏競馬の特徴
芝が傷みやすく、馬場が荒れやすい。
暑さに強い馬(夏馬)が活躍しやすい。
若手騎手にチャンスが回る。
「夏競馬は荒れる」と言われることもあり、高配当が出やすい傾向がある。
【逃げ(にげ)】
レース序盤から先頭に立ち、そのまま押し切る脚質。
逃げ馬は「ハナを切る」とも言われる。
逃げ切り勝ちは「逃げ切った!」と実況されることが多い。
逃げが決まりやすい条件
スローペース → 先頭馬が楽に走れる
小回りコース(福島・小倉) → 直線が短いため、後続が追いつきにくい
不良馬場(雨天) → 後続の馬が伸びにくい
有名な逃げ馬
サイレンススズカ(圧倒的なハイペース逃げ)
キタサンブラック(先行気味の逃げ)
【入着(にゅうちゃく)】
レースで1着~5着以内に入ること。
賞金が支給されるのは基本的に5着までのため、馬主や関係者にとっては重要。
馬券的には3着以内(複勝・ワイド)に入ることがポイント。
入着の意味合い
1着(優勝) → 賞金&名誉
2~3着 → 次走の優先出走権(重賞では重要)
4~5着 → 賞金は得られるが、馬券には絡まないことも
「掲示板に載る(5着以内)」=安定した成績と評価される。
【配当金(はいとうきん)】
馬券が的中した際に受け取る払い戻し金のこと。
オッズに応じて配当が決まる。
例)単勝オッズ5.0倍 → 1000円購入 → 配当金 5000円
的中した馬券の種類によって払い戻し額が異なる。
単勝・複勝 → シンプルで的中しやすいが、配当は低め
馬連・馬単・ワイド → 2頭の組み合わせを的中させる
三連複・三連単 → 的中難易度が高く、高配当になりやすい
配当金はレースごとに異なり、人気馬の組み合わせなら低配当、穴馬が絡むと高配当となる。
【馬群(ばぐん)】
レース中に複数の競走馬が密集して走る状態。
馬群の特徴
逃げ・先行馬がレースを引っ張ると、後ろの馬が馬群を形成することが多い。
差し・追い込み馬は、馬群をさばいて抜け出す必要がある。
「馬群に包まれる」と不利になることが多い。(前が壁になり動きづらい)
馬群の影響を受けにくい大外枠や、抜け出しやすい先行策は有利になることが多い。
【パドック】
レース前に競走馬が観客に披露されるエリア。
馬のコンディションをチェックできる重要な場所。
毛艶の良し悪し → 調子のバロメーター
落ち着き具合 → 気性が荒いと消耗が激しい
歩様(歩き方) → 柔らかくスムーズな動きが理想
競馬ファンや専門家はパドックで馬の状態を見て、馬券の参考にすることが多い。
【払い戻し(はらいもどし)】
的中した馬券を換金し、配当金を受け取ること。
競馬場・ウインズ(場外馬券場)・インターネット投票(即PAT・A-PAT)などで行える。
JRAの競馬場では、レース開催日のみ払い戻し可能。
未換金の馬券は、原則として60日以内に払い戻さないと無効になる。
近年では、スマホやパソコンで即時払い戻しができる「即PAT」が主流になっている。
【晩成(ばんせい)】
4歳後半以降に成長し、本格化する競走馬のこと。
2歳・3歳時には目立たないが、成長とともに力をつける馬を指す。
逆に、若いうちから活躍する馬は「早熟馬」と呼ばれる。
晩成型の馬は、長距離戦やダート路線で活躍することが多い。
代表的な晩成馬
ゴールドシップ(3歳クラシック後半から力を発揮)
オグリキャップ(4歳以降にG1戦線で活躍)
メジロマックイーン(古馬になってから最強クラスに)
【蹄(ひづめ)】
馬の足の爪にあたる部分で、体重を支える重要な部位。
人間の爪と同じく伸び続けるため、定期的に手入れが必要。
走る際の衝撃を和らげる役割があり、蹄の健康は競走能力に直結する。
蹄鉄(ていてつ)を装着することで、蹄の摩耗を防ぎ、グリップ力を高める。
蹄が弱いと、走行時に影響が出るため、レース前に「蹄の状態」が注目されることもある。
【フケ】
牝馬が発情している状態。
発情期にはレースで集中力を欠くことがあり、不利になることが多い。
フケの兆候
しっぽを高く上げる
騎手の指示に従いにくくなる
他の馬に対して過敏な反応を示す
牝馬はフケの影響を受けやすいため、「フケが来ている牝馬は割引評価」とする競馬ファンも多い。
【不良(ふりょう)】
「不良馬場」の略称で、馬場状態が最も悪い状態を指す。
芝・ダートともに、雨や水分を含みすぎた結果、走りにくくなった状態。
馬場状態は「良・稍重(ややおも)・重・不良」の4段階で表され、不良馬場は最悪のコンディション。
脚抜きの良い不良馬場(スピードが出る)と、泥んこで走りにくい不良馬場(スタミナ勝負)に分かれる。
不良馬場の特徴:
前が止まりにくい(逃げ・先行有利)
ダートはパワー型が有利(軽い馬場ならスピード型も活躍)
芝は道悪巧者が好走しやすい(父や母が欧州血統の馬が得意な傾向)
【放牧(ほうぼく)】
競走馬をリフレッシュさせるために牧場で休養させること。
レースや調教での疲労を回復させる目的で行われる。
短期放牧(1ヶ月未満) → リフレッシュ目的
長期放牧(1ヶ月以上) → 体調不良や故障からの回復目的
放牧先としては、ノーザンファーム・社台ファーム・山元トレセンなどが有名。
調教師の判断で放牧され、復帰戦では「休み明け(放牧明け)」として状態が気になるポイントとなる。
【本命馬(ほんめいば)】
レースに出走する競走馬の中で、最も人気があり、実力が高いとされる馬。
オッズが最も低い馬(=1番人気)であることが多い。
競馬新聞や予想では「◎(本命)」の印が付けられる。
本命馬の取捨選択が、馬券の勝敗を左右するポイントとなる。
本命馬の特徴:
過去の成績が安定している
コース適性が高い
騎手が強い(ルメール・川田・武豊など)
ただし、本命馬が必ず勝つわけではなく、「競馬に絶対はない」と言われる通り、人気馬でも敗れることは多い。
【万馬券(まんばけん)】
100円の馬券が1万円以上になる馬券のこと。
的中時の払い戻しが「万単位」になることから「万馬券」と呼ばれる。
さらに、10万円を超えると「10万馬券」、100万円を超えると「100万馬券」となる。
3連単で高配当が出やすく、100万馬券が出ることも珍しくない。
万馬券が出やすい条件:
荒れたレース(人気薄の馬が激走)
ハンデ戦(実力差がつきにくい)
天候・馬場が悪いとき(不良馬場など)
競馬ファンにとって、万馬券を的中させることは夢の一つとされる。
【未勝利戦(みしょうりせん)】
まだ一度も1着を取ったことのない競走馬が出走するレース。
2歳戦・3歳戦で行われ、未勝利の馬が勝ち上がるための重要なレース。
3歳秋までに未勝利を脱出できないと、中央競馬(JRA)で走る権利を失い、地方競馬(地方転籍)や引退を余儀なくされる。
未勝利戦を勝ち上がると、1勝クラス(旧500万下)に進む。
未勝利戦は、馬の成長度合いや適性を見極める重要なレースとされ、将来の重賞馬が誕生することもある。
【メインレース】
1日の競馬開催の中で最も注目されるレースのこと。
通常、その日の11レース目に行われることが多い。(ただし、例外もあり)
重賞競走(GI・GII・GIII)や特別戦がメインレースに設定されることが多い。
メインレースはその日最も多くのファンが注目し、売上も他のレースより圧倒的に高い。
代表的なメインレース:
東京競馬場の「東京優駿(日本ダービー)」
阪神競馬場の「宝塚記念」
中山競馬場の「有馬記念」
【もまれる】
レース中に馬群に包まれて思うように走れない状態のこと。
競走馬は基本的に馬群の中でストレスを感じやすい。
もまれると、折り合いを欠いたり、前が詰まって動けなくなることがある。
特に、気性が激しい馬(逃げ・先行タイプ)は、もまれると力を発揮しにくい。
もまれないようにするために、騎手は外目の枠を選んだり、スタート後に前目の位置を取ることが多い。
【やらず】
勝つ気がないのに出走することを指す俗語。
人気馬が凡走した際に「やらずだったのでは?」と言われることがある。
本来は「馬主や調教師の指示で、本気で勝ちに行かない騎乗をすること」を指すが、競馬ファンの間では「期待された馬が思わぬ敗戦をしたとき」に広く使われる。
やらずが疑われるケース:
次走が本番(重要なレース)で、調整のための出走
レース中に騎手が積極的に追わなかったように見える
明らかに実力のある馬が大敗する
公正競馬が求められるため、実際には「やらず」があるかどうかは不明だが、競馬ファンの間で議論になることが多い言葉。
【よれる】
競走馬がスタミナ切れやバランスを崩して、斜めに走ること。
ゴール前の追い比べで、疲労した馬がまっすぐ走れなくなることが多い。
馬体が接触する原因となり、斜行(しゃこう)と判定されると制裁の対象になることも。
気性が荒い馬や、走りに癖がある馬はよれやすい。
よれた例(有名なケース):
2019年桜花賞 → グランアレグリアが外に膨れながらも勝利
2021年日本ダービー → エフフォーリアが直線で少し内によれるが粘る
【良馬場(りょうばば)】
最も走りやすい馬場の状態のこと。
芝・ダートともに、水分を含まず適度に乾いている理想的な状態。
馬場状態は 「良・稍重(ややおも)・重・不良」 の4段階で発表される。
速いタイムが出やすく、スピード馬が有利になりやすい。
良馬場での特徴:
逃げ・先行馬が有利になりやすい(ペース次第)
純粋なスピード勝負になりやすい
馬場適性(道悪の鬼など)があまり影響しない
【連闘(れんとう)】
2週連続でレースに出走すること。
通常、競走馬は1か月以上の間隔を空けて出走することが多い。
しかし、調子が良い馬や、未勝利戦を突破するために短期間でレースを使うことがある。
連闘のメリット・デメリット
メリット → 調子が良い馬なら、その勢いで好走することがある
デメリット → 体調管理が難しく、疲労が抜けていないと凡走しやすい
連闘で好走した例:
2010年安田記念 → ショウワモダン(前週オープン勝ち→G1優勝)
2018年京都記念 → クリンチャー(前走2着→勝利)
【枠順(わくじゅん)】
競走馬のスタートゲートの位置(出走枠)のこと。
「1枠1番」などの形で発表される。
競馬では馬番(ゼッケン番号)と枠順は異なるが、一般的に「枠番」とも呼ばれる。
枠順はレースの展開に大きく影響するため、競馬予想において重要なポイントとなる。
枠順の影響:
内枠(1枠・2枠) → コーナーで有利だが、馬群に包まれるリスクあり
外枠(7枠・8枠) → 競り合いを避けられるが、距離ロスが発生しやすい
芝・ダートのコースによって有利・不利が異なる
代表的な「枠順の運命を分けたレース」
2021年有馬記念 → 1枠1番のエフフォーリアが内からスムーズに抜け出して勝利
2016年日本ダービー → 8枠18番のマカヒキが外枠不利を跳ね返して優勝
枠順は馬券を買う際の大きな判断材料となるため、「枠順確定後のオッズの変動」にも注目が集まる。