2018/03/06 | |
進むギャンブル依存症対策への取り組み |
JRAの2017年からの依存症対策
通称カジノ法案が成立してからというもの、世論ではギャンブル依存症対策や治安についての不安の声も多い。日本でのギャンブル依存症の有病率は5.6%と世界でもトップクラス。競馬界でもこのギャンブル依存症への対策を講じざるをえず、2017年4月からJRAでは「ご来場時に退場を促すお声掛けをご希望のお客様は、インフォメーションへお申し出ください」と書かれたポスターを掲示。しかしギャンブル依存症の人間が自らそんな事を希望し申告する事はあまり無かったようで、あまり効果的ではなかったようだ。
同年10月、対策強化として本人申請(12月よりは家族からも対応)によりインターネットでの馬券購入を停止するという試みも行われているが、2017年中に実際に受理されたのは僅か1名。受理された1名は実際に競馬場へ行った場合、先ほどの声かけで退場を促すという事だが、たった1名の為に現場でどこまで人員を裂けるのか、そもそもGIレースの開催日のような大人数が出入りするような日に、そんなたった1人を探し出して声かけなど現実的では無い。正直ギャンブル依存症対策してますよ、というポーズの為の対策にしか見えないのだ。
今年秋からスタート、依存症患者は入場禁止
そして2018年3月5日、家族がJRAに申請すれば患者本人の意思に関係なく、競馬場や場外馬券場への入場を禁止できる措置を取ることを決めた。秋からの実施を目指すとの事だ。これはまず家族からの申請があったギャンブル依存症患者の顔写真を競馬場や場外馬券場の関係者に配り、職員が該当者を発見した場合は入場を断るという制度だ。
これも先ほどの大人数が出入りする日にどうするか、複数の出入り口がある場合はどうするか等疑問も残るが、患者本人の意思に関係なく入場自体を禁止、というのは一定の効果があるかもしれない。しかし、顔写真の配布となると個人情報の扱いも気になるが、まるでタチの悪い客の「出禁」のような扱いも少々気になってしまうが、依存症対策となるとある程度強引な手法を取らざるを得ないのだろうか。